Q マイナンバーカードを作ろうかと迷っているのですが、マイナンバーカードを作ると私のマイナンバーが誰かに利用されてしまうのではないかという嫌な気持ちもあります。マイナンバーカードを作ったらマイナンバーで私のことが監視できるようにはならないのでしょうか。カードを作る場合のメリットとデメリットについてはどう考えていますか。
(答)国や地方自治体(「国等」と略します)も、みなさんに「監視されている」との疑問を感じられないよう徹底的に説明するべきだと思いますが、マイナンバーカードはそれを使って国等があなたを監視する制度では全くありません。
マイナンバーの国等による利用は現在のところ社会保障・税・災害対策の3分野に限られています。マイナンバーを利用してあなたの情報を集約できるのはこの3分野だけに限定されています。
マイナンバーカードを作るとあなたに関する国等の情報を自分で確認できたり、各種申請手続ができたりするように整備されてきているので、マイナンバーで国等が自分の情報を集約しているように感じることがあるのですが、情報はあなたから見ることができるだけで国等は先の3分野以外ではあなたの情報を集約していません。
マイナンバーは2015年10月から住民票を有する者全員に通知されています。国民1人に対して1個だけ付与されているので、マイナンバーは確実に特定の1人を示します。
マイナンバーはあなたには1つしかありませんから、「このマイナンバーの持ち主はあなたである」ことを証明すれば、国等はあなた本人からの申し出であることは確認できます。したがって、あなたの情報をあなたに提供したり、各種申請を受理できるのです。
例えば住民票をもらうにもマイナンバーカード作成以前は窓口であなたであることを確認する必要があったのですが、マイナンバーカードを作ればそれであなた本人の確認ができますから、コンビニでも発行してもらえるようになったのです。
マイナンバーカードであなたからは自分の情報を確認できる分野が増えてきましたが、先の3分野のように国等は法律に定められた場合以外、あなたの情報を集約できません。
本原稿を作成している2023年2月初め時点で、すでに8,000万人程度の人がマイナンバーカードを作っているそうです。
「カードを作ったらポイントがもらえること」も大切ですが、窓口まで行かなくてもいろいろなことができるというのは大きなメリットです。デジタル庁も設置され、できる手続が拡大し、利便性が増大しているようです。
あなたの側からあなたの情報を集約して確認できるということは、逆に考えるとあなたがマイナンバーカードの管理を怠り、他人にマイナンバーを知られたり、さらに暗証番号を知られてしまうと、あなたになりすまして他人にあなたの情報が盗み見られたり、知らない間に手続がされてしまうことがあり得ないとは言えないはずです。
マイナンバーは法令で定めている場合以外には提供を求めることが禁止されています。昔話にも「名前を教えたら命を取られる」というような話が出てきます。マイナンバーや暗証番号はあなたの命だと思って厳重に他人に教えないよう管理しましょう。他人にマイナンバーを教えないで!
以上